iPhone 7/6sキャリアについて 通信方式

キャリア毎に通信方式と通信速度が違います。通信速度については、既に触れたため、ここでは通信方式について言及します。

同じiPhone 7/6sを使うとしても、キャリアにより通信方式が違うため注意が必要です。たとえば、auはCDMA方式という通信方式を採用しています。CDMA方式は、動画・音声によるリアルタイムの通信が可能で、1つの周波数を複数の利用者で共有できるため、周波数効率がよいというのが利点です。しかしCDMA方式では、通話とインターネット接続を同時に行うことができません。ちなみにNTTドコモの第3世代携帯電話FOMAはこの方式を採用しています。

一方、NTTドコモとソフトバンクはW-CDMA方式を採用しています。この通信方式では、高い通信品質を得るだけでなく周波数の利用効率を高めることができます。また、音声のみならずデータ・画像・動画など、低速から高速までの様々なマルチメディア情報に対応したモバイル通信環境が経済的に実現できるようになります。つまり、通話とインターネット接続が同時に行えます。なので、電話しながらでもメールやLINEアプリを起動したりテザリングをすることもできます。これがNTTドコモ・ソフトバンクとauの違いです。

ドコモ(NTT docomo)

iPhone 6からVoLTEへ対応しています。VoLTEは、LTEで音声通話のデータもやり取りするものです。これまでは3G通信上に音声データを乗せていたのが、VoLTEでは、LTEで音声データのやり取りをするようになっています。VoLTEを採用することでデータ通信と音声通話で通信方式を変える必要がなくなり、様々なメリットがありました。

高音部分(女性の声)を忠実に再現でき、発着信の高速化がかないました。それまでのauのiPhoneでは通話と通信が同時にできなかったのですが、iPhone 6からはVoLTE対応で同時通信が可能となりました。ドコモは14年6月からすでにVoLTEサービスを提供していましたので、この点においては先進しています。

au

auの利点は、LTEエリアの広さが挙げられます。4G LTEプラチナバンドの実人口カバー率は99％です。数字に表れる部分だけでなく、地方の観光地や地下、大きな建物内などでのLTE化は他社を引き離している状態です。プラチナバンドというのは、携帯電話の周波数のことで700～900MHzのことを指します。

ほかの携帯電話の周波数に比べてゆっくりと進む性質なので、山間部やビルの谷間、室内などに電波が届きやすく、回り込んで安定した電波を提供することができるのが特徴です。通信事業者にとってもユーザーにとっても価値が高いため、「プラチナバンド」と呼ばれています。

そのプラチナバンドですが、ドコモとauは800MHzの周波数帯で3G/LTEを使うことができます。一方ソフトバンクは900MHzの周波数帯で、3Gのみの対応ですこれに加えてキャリアアグリゲーション（CA）が新たにiPhone 6/6 Plusから利用できるようになります。この技術を使って、これまで思うように高速化が進められなかった都心部でも下り最大150Mbpsの通信が可能になります。一方でVoLTEへの対応時期はまだ未定です。

ソフトバンク(Softbank)

iPhone 6からTD-LTE（AXGP）に対応していますので、広い範囲で100Mbps超の通信速度がかないます。ゴルフ場や駅中問わずつながりやすく、通信速度調査でもソフトバンクが首位のため、通信にこだわりたいユーザーはソフトバンクを選ぶ傾向があるようです。ただ、CAやVoLTEへの対応も不透明であり、他社に比べて新機能という点では遅れをとっています。

VoLTEの長所を体感してみたい方や既に自身の行動範囲がドコモのLTEエリアになっている方にはドコモがいいかもしれません。LTEならauです。都市部で使うなら繋がりやすさの面で優位に立っているのはソフトバンクです。しかし、都市部で利用する場合はキャリアの差はそれほど大きくないと考えます。